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お知らせ

イチゴ教室がはじまります

イチゴ教室がはじまりました。

令和4年度(予備費)独立行政法人福祉医療機構「生活困窮者等支援民間団体活動助成事業」の一つとして、コロナ禍の孤立を予防するための新しい取り組みをはじめます。イチゴ教室という地域共生型サロンです。8月25日から、北広島市大曲地区でNPO法人ゆとりのではじまります。また、9月1日より、札幌市白石区の当法人の事務所ではじまります。
イチゴ教室とは、午後1時から5時までの教室です。高齢者は、1時から3時まで健康づくりを行います。子どもは、3時から5時まで自主学習を行います。おやつもでます。どうぞ皆さん、ご参加ください。

イチゴ教室の目的と意義:孤立予防の必要性について 認定NPO法人ふまねっと 理事長 北澤一利

社会的孤立、孤独の背景
1. 今⽇の⽇本は、少⼦⾼齢化、核家族化などによる世帯規模の縮⼩や、都市的⽣活様式の浸透、経済のグローバル化の進展や経済の低成⻑化等による⾮正規雇⽤の労働者の増加など、さまざまな社会構造の変化に直⾯しています。このような社会構造の変化を背景として、社会的孤⽴・孤独が社会問題として顕在化しています。
2. 社会的動物としての⼈は、他者との安定的な関係性なしには適応的に⽣きていくことが困難です。社会的孤⽴・孤独はこのような⼈の適応に直接的・間接的に影響し、⼼⾝の健康を悪化させ,孤⽴死や⾃殺といった深刻な事態を引き起こすこともあります。また、多くの⼈びとが孤⽴し互いに関⼼を向け合うことが少ない社会では社会規範の弱体化が進み、逸脱⾏動の増加を招くことにもなります。また、相互の無関⼼によって犯罪被害リスクが⾼まることにもなります。
3. また、2020 年以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的⼤流⾏により、家庭・学校・職場・公共施設など様々な場において、個⼈間の物理的な距離の確保が必要となりました。これまで特段社会的孤⽴・孤独リスクが⾼いと考えられていなかった状況にある⼈びとも、新型コロナウイルス感染症の影響により社会的孤⽴・孤独に陥る可能性があることが注⽬されました。
4. 例えば、⼤学に⼊学した新⼊⽣が、⾃宅でオンライン授業を受け続けなければならなかったために、⼤学への帰属意識を持てず、友⼈と会うことや悩みを相談することができていないことから精神的に不安定になり、休学や退学を考えるようなことがあります。他にも、育児中の⺟親や、地域とのかかわりが薄い退職者など、⼀⾒普通の⽣活を送っている⼈でも、何らかのきっかけで社会的つながりを失い、社会的孤⽴・孤独に陥る可能性があります。
5. オンライン化や、仮想空間の社会への浸透、⽇常⽣活との融合がさらに加速し、社会的孤⽴・孤独の状態にある⼈が、仮想空間に新たなコミュニティや居場所を⾒いだすこともあれば、またそこに別の排除やいじめが⽣まれることもあります。仮想空間が社会的孤⽴・孤独の予防においてどのような意味を持つのかという観点も⾮常に重要です。
6. 新型コロナウイルス感染症の流⾏を受けて、⼈と⼈との信頼関係や合意形成のあり⽅が変わり、格差や貧困が顕在化・拡⼤する中で、具体的にどういった層において、どのように社会的孤⽴・孤独の状況に陥る者が増えているのか、新しい状況下での社会的孤⽴・孤独メカニズムを検証し、予防につなげる必要があります。

社会的孤⽴・孤独を考える
1. 社会的孤⽴とは、他者との接触の⽋如や社会的活動を⾏っていないこと、親密な他者がいないことなど、客観的な関係性の⽋如を意味します。そして孤独は、そのような客観的な関係性の有無とは別で、個々⼈がどれくらい孤⽴や関係性の⽋如を主観的に感じているかを意味します。
2. 多くの研究では、社会的孤⽴と孤独が独⽴して健康や寿命に影響する可能性が⽰されています。例えば、社会的なつながりがあったとしても、その中で孤独を覚えることで健康が損なわれる可能性があり、また逆に、孤独を感じていなくても、社会的に孤⽴していることで健康が損なわれる可能性もあります。⼼⾝に問題を抱える⼈々へ介⼊しようとする際には、このような対⼈関係についての客観的な側⾯と主観的な側⾯の双⽅に配慮する必要があります。
3. また、社会の中からある地域が孤⽴したり、地域の中である家族が孤⽴したり、家族の中で個⼈が孤⽴するなど、社会的孤⽴には重層的な側⾯があることも、着⽬すべき観点です。
4. 社会的孤⽴・孤独は環境から切り離された個⼈の病的な特性ではありません。本⼈の価値観や選好の結果であったり、⾃ら選択・実現できなかったライフ・コースの帰結であったりします。社会規範、制度・政策などの環境条件が反映される例もあります。孤立の原因が個⼈ではなく、社会的環境(家族、学校、職場、地域)である場合もあります。このことを忘れて個⼈の病的な特性であるかのように、⾃⼰責任として扱ってしまうとすれば、その結果、更なる、新たなスティグマ(負の烙印:偏見や差別)を⽣む恐れがあります。
5. そこで、イチゴ教室が⽬標とするのは、孤⽴を⽣まない新しい仕組み(環境)の提案であり、孤⽴しそうな人に対する新しい出会いの提供と考えます。
6. そのために、イチゴ教室のスタッフは、ふまねっと運動や学習支援を通じて、参加者の「親密な他者」となり、安心できる人として信頼されるよう努めます。
7. キャッチコピー:イチゴ教室は「〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇」の教室です。スタッフ皆さんでこの〇〇を一緒に考えましょう。

補足:「親密(しんみつ)」な関係になるためには相手が関わるのでむずかしいけれど、「親身(しんみ)」になることは、自分だけでできます。スタッフは、まず、親身になることからはじめましょう。

(引用)上の文章は、以下の引用文章を参考にして、これをやさしくわかりやすく書き換えたものです。
浦 光博、国立研究開発法人科学技術振興機構「社会的孤⽴・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築」、社会技術研究開発事業、SDGs の達成に向けた共創的研究開発プログラム公募要領、2022年4月

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